ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する
ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造するW・チャン・キム レネ・モボルニュ 有賀 裕子

ランダムハウス講談社 2005-06-21
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starマーケティング本のブルーオーシャン

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なんでも31カ国で翻訳されてるそうで、これはポーターの「競争の戦略」の19カ国を上回るそうな。ビジネス書としては超ベストセラーだ。

「ブルーオーシャン」とは競争のない未開拓市場のこと。一方で、競争相手がひしめき熾烈な競争市場を「レッドオーシャン」と呼ぶ。本書では企業は「ブルーオーシャン」を見つけ出し、その海に乗り出していかなければならないと説く。

と、書けば、「競争のない未開拓市場」なんてものがあれば、誰だって参入したいよと思うだろう。今さらそんな都合のよい市場があるかいなと。しかし、ブルーオーシャンは、単なる新規市場ではない。むしろ、既存の市場の延長にあるケースがほとんどだ。ある意味では今までの「差別化」や「ポジショニング」といった概念と大きく変わりはないのかもしれない。本書では「市場の境界を引き直す」という言葉を使っているが、結局のところ、市場において多くのプレイヤーが競争要因として捉えてるところとは異なる競争要因を見つけ出そうということだ。

Web制作会社だと「企画力」や「プロデュース力」や「プロジェクトマネジメント」「クリエイティビティ」「システム開発力」「スピード」「価格」みたいなところを強みとして競争してるかもしれないが、こういったどこの会社もが高めようとしている要素・価値ではないところで、顧客が期待する新たな価値を発見するということだ。

本書では「ブルーオーシャン」を見つけ出し、そこに乗り出すためのいくつかのフレームワークが提示されている。機会があれば、一度、ボクらの市場もこれらのフレームワークを使って見直してみると、何か気づきがあるかもしれない。

■分析のためのフレームワーク
Q1.業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち、取り除くべきものは何か
Q2.業界標準と比べて思いきり減らすべき要素は何か
Q3.業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か
Q4.業界でこれまで提供されていない、今後付け加えるべき要素は何か

■市場の境界を引き直すための6つのパス

パス1.代替産業に学ぶ
例)映画館の競争相手は、映画館だけではなくレストランも。「外出して楽しい夕べを過ごす」という目的から見れば同じ。

パス2.業界内のほかの戦略グループから学ぶ
「メルセデス」「BMW」「ジャガー」は同じ高級車セグメント。

パス3.買い手グループに目を向ける
例)購買者と実際の利用者が異なる場合。利用者に目を向けてみるなど

パス4.補完財や補完サービスを見渡す
例)映画館を訪れる人々→その前にマイカーの注射やベビーシッターの手配

パス5.機能志向と感性志向を切り替える
例)スウォッチは「機能志向」が強かった時計市場に「感性志向」を持ち込む

パス6.将来を見通す
後戻りしないトレンド。

本書の前半はこの手のフレームワークの提示と、それを活用して「ブルーオーシャン」を見つけ出す手順。後半は「ブルーオーシャン」に乗り出すために、どのようにして組織を動かしていくかという、どちらかというとマネジメント系の話になる。「割れ窓理論」を実践して、犯罪率を一気に下げることに成功したニューヨーク市警の裏側の話。どうやって犯罪を減らしたか、というのは「テッピィングポイント」などで知っていたけれども、実際、組織としてどんな風なマネジメントで、現場の警官の意識を変えていったのかということはよく知らなかったので面白かった。

単純に、大勢を動かすには、きわめて大きな影響力のある少数を動かすのが良いという当たり前の話なのだが。「80対20の法則」と同じことだ。
何か大きな組織改革で、全社員の意識を変えなければならないときは、まず、影響力のある少数に徹底して働きかけなければならない。

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