商品にはその商品に愛着と責任を持つ人が必要だ

medium_2630959986photo credit: Shereen M via photopin cc

やっぱり、商品とかサービスには、それに責任もってその商品のことを考えている人がいないとダメなんだろうなということ。
商品に愛着を持ち、その商品の魅力を高めるために色々考え、利用者の声を聞き、あるいは利用しなかった人の意見を聞き、商品の魅力を高めるってことを責任もって続ける人。
そういう人がいない商品というのは不幸だ。
一時的に売れても継続的には売れていかない。競争力を維持できない。
(ボクなんかもそういう商品を一杯つくってきた。作っては飽きて作っては飽きて…)

商品数が増えれば増えるほど、商品にかける想いや熱意ってのは分散していく。
商品ごとに専任の担当者をつけることができて、商品の増加に伴って、その専任も増える、ってなら大丈夫だろうけど、商品は増えるけど人は増えてない、なんてときは、間違いなく商品への愛情はばらけていくだろう。

商品を増やしても、そのなかで優先順位をきちんと決めていれば大丈夫という意見もあるかもしれないけれど、多分、そういうものでもないだろうなと思う。優先順位付けというのは、便利な言葉だけれど、人間はそううまく割り切って重み付けができるかというと、案外できないものだ。

商品がある以上、お客さんからその商品について問われれば、優先順位が低い商品だって対応は必要になるだろう。優先順位の低い商品はたいていの場合、まともな担当がいないし、商品のことをきちんと考えている人もいない。お客さんからの問い合わせや相談にも毎回毎回場当たり的に対応していくみたいなことになるだろう。

そして、それで商品が売れるかというと、たいていの場合売れない。なのでそういう動きが徒労に終わる。同じようなことが頻繁に発生すれば、ルーチン化もできるだろうけれど、だいたいにおいて、発生するものの殆どが突発的でテンポラリーなものだから、毎回毎回の場当たり対応が続く。

結局のところ、商品が増えていけばいくほど、優先順位の低い商品が増えていけばいくほど、こういう対応に取られていく時間は大きくなっていく。優先順位って言葉でなんとかしようとはしていたが、気づけば色んな商品にちょっとずつ時間をとられていってしまって、肝心な重要商品にかけるパワーは少なくなってしまうというわけだ。

ということもあり、少人数の会社や組織であればなおさら、商品を増やせば増やすほど、むしろ商品は売れなくなっていくのではないか、と。商品に圧倒的な競争力や魅力があれば別だけれど、愛情を注ぎ、人材や金を注ぎ、育てていかないと生まれたばかりの商品はけっこう簡単に死んでしまう。人の子と同じ。商品はけっこうこまめに面倒を見て、育てていかなければ育ってはくれないのだ。

あまり売れないから新しい商品を投入すると、また商品が増えて力が分散して、さらに売れなくなる。けっこうそういう悪循環にはまるケースがあるように思える。

商品が数多いと、面は作りやすくなるし、営業接点は取りやすくなるんだろうけど(ECサイトとかでも、商品点数が多ければ多いほどアクセス数も多くなる傾向があるのと同じようなもんか)、でもお客さんに買ってもらうには、きちんとその商品のことを理解して、その魅力を語れる人がいないとなかなか売れていくものでもない。

そういう人の数が増えなければ、商品でいくら面ができても、その商品は売れていかない。

商品を良くしていくことと、商品を売るということは車輪の両軸で、この両方について責任をもって取り組む人をつくっていくこと、そこへの専任を増やしていけるぐらいに商品が売上をあげてくれるまで持っていくこと。そこまでどれだけのリソースを注ぎ込まれるか。ここが重要なポイントだ。
(もちろん、どれだけ愛情を注ぎ込んでも、お金や人を注ぎ込んでも、売れない商品だっていっぱいあるけど)

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