ウィーン、プラハ巡り、の前に飛行機の中で漏らしそうになった話

先週は久々にプライベートでの海外旅行。プラハ、ウィーンを巡ってきた。
本来は旅行そのもののことを記録すべきなのだろうけど、僕の場合は持病のIBSでの苦労譚から始まる。
行きの飛行機ではいつもの突発性の下痢に見舞われて危うく機内で粗相をしでかしてしまうところだった。

機内には何個かのトイレが設置されているので、他の乗り物よりは僕自身も安心していたところがあるのだけれど、やはりエコノミー。人数とトイレの数の釣り合いはとれてない。平常時は問題ないのだろうけど、特に危険なのはご飯の後だ。ご飯の後に便意をもよおす人が多いってのは自然の摂理か。ご飯の後だけはトイレの前に行列が出来るのだ。

そして、この行列ができて、容易にはトイレに駆け込めないという状況が、僕の便意をさらに加速することは言うまでもない。不安と心配が頭をもたげ、考えないよう、意識をそちらに向けないようにすればするほど、自然と注意はお腹に向かってしまい、予想通りで急性の下痢がやってきた。第一波だ。

このときは並んでいる人が3〜4人いただだろうか。さすがにこれは無理だと思い、事情を説明して順番を変わってもらいなんとか間に合わせることができた。ほっと一息つきながら、トイレを出てもまだ「次」が来ることが予感されるような終わり方だったので、長年の経験上、必ず第二波があることを確信していた。いつもそうなのだがこういう便意が一回でおさまることはまずない。一回事が終わって、それからまた数十分程度時間をおいてから二回目はやってくる。

その予想通り、それはやってきた。次も同じように順番を変わってもらうお願いをしたのだが、しかし先に入ってる人が出てこない。順番を変わってもらえてもトイレが埋まってる状態ではどうにもならない。

時間にしたら2分、3分のことなのかもしれないが、こういうときは永遠にも思えるもので、もう我慢の限界と、その場を立ち去り、近くのCAに事情を伝えた。CAもこいうのには馴れてるんだろうか、かなり冷静に「では、ここからずっと前方にビジネスクラスがあります。そちらのトイレが比較的空いておりますので」と説明され、説明を聞き終わるか否かのタイミングで、僕は通路の人をすいません、すいません!と掻き分けて、一路、ビジネスクラスのエリアに向かった。
機内通路を一般客が血相変えて走っていく様なんて見たことがあるだろうか。僕自身もないが。僕は必死なので気づかなかったけど、妻曰く、乗客がみんな「なんだ、なんだ」という感じで僕の走っていく様を見つめていて、恥ずかしかったそうだ。

しかし、僕は恥ずかしいなどとは言ってもいられない。漏らしたほうがよほど恥ずかしいのだ。
ビジネスクラスのトイレにたどり着いたものの、なんとそのトイレ2つも埋まっている。うーーー。よりによって。ビジネスクラスでも2つしかトイレ用意してないのかよ、この航空会社はと一瞬悪態をつきそうになった。

すぐ近くにCAが「どうしたのですか」と尋ねてきたので、さらに事情を説明すると、別のトイレを探しにいってくれたが、そこも埋まってたようで、万事窮す。CAもお手上げというような身振りで、我慢するしかないわね、というような視線を送ってきた。うぐぐぐぐぐぐ。

ここで仮に漏らしたりしたらどうなるんだろう。着替えとかは、飛行機で用意されたりしてるのかな、でも、ビジネスクラスでうんこ漏らされたりした日にゃ、ビジネスクラス乗ってる人からすごいクレームを受けるんじゃないかなとか、これから目的地まで機内に充満した臭いに体調おかしくなる人もでてくるんじゃあにかとか。それならエコノミーで憤死したほうがいいのかとか、バカなことをグルグル考えながら数分。いや、数十秒ぐらいだろうか。

と、その時、トイレの扉の向こうから、飛行機や新幹線のトイレ特有の、あのジュポッという気持ち良くブツが吸い込まれていく音がして、しばらくすると扉が開いた。助かった。すぐさま扉の向こうに駆け込み、なんとかギリギリのセーフ。今回もなんとかかんとかピンチを乗り切ることができた。いやはやほんと危なかった。
旅行では、2年前のベトナムの空港の出国審査で漏れそうになり、無理やり出国審査をパスしてトイレに連行してもらった経験があったけど。こういう非日常的な空間での便意というのは慣れないだけあって、余計に緊張をもたらし、不安に拍車をかけるものなのだ。
二回目は、先のような「残糞感」はなかったので、しばらくは大丈夫だろという安心感のもとにトイレを去ることができた。が、実は、その後、空港に着陸直前、シートベルト着用が義務付けられ、席をたつことが原則できない状況に陥ったときもまたまた便意に襲われ、着陸後にすぐさままたトイレに駆け込むという一幕もあった。

こういう経験を通して、僕のIBSはますます酷く、深刻な状況に陥っていくのだろうか。

◆ウィーン/プラハ巡りについて

申し訳程度に今回の旅行のことについても少し書いておくと、今回の旅行はもともとヨーロッパにしようということだけ決めていた。どこにするかということで色々考えた結果、妻も僕も好きなものが一番観られるのがウィーンじゃないかということで、ひとまずウィーンが確定して、あとはウィーンとの行き来が楽で、且つ妻と共通の好きなものが満たせるところということでチェコのプラハということになった。(ウィーン⇔プラハは特急電車で4〜5時間ぐらい)

ウイーンは、クリムトシーレヴァッサーブリューゲル。プラハはカフカ。彼らの作品や、彼らの建築物に生で触れるというのが旅の目的になった。また、二人共、教会や聖堂も好きなので、ウィーンはまさにドンピシャなのだ。
ただ、ちょっと気になっていたのは、ちょうど旅行中に、日本でクリムト、シーレのウィーン世紀末展が開かれているということで、下手したら主要作品は全部日本にいっちゃってて、本場ではもぬけの殻のような状態なんじゃないかということだった。

なにせ、今年、大原美術館に行ったときも(毎年のように行ってるけど)、一番見たかったセガンティーニの「アルプスの真昼」がなかったり、現代美術館が改装中で見られなかったりと、なんとなく嫌な巡り合わせだったからだ。

でも、実際行ってみたらその心配は杞憂だった。もうお腹いっぱいというぐらいにクリムトもシーレも観られたし、もちろん「接吻」も観られた。(「パラス・アテナ」は日本に行っちゃってたみたいだけど、でも作品数も十分すぎるぐらいあった)
有名な作品だからってこともあるんだろうけど、ほんと「接吻」の神々しさはすごいものがあって、あぁこれがアウラってものなんだろうな、なんて知った感想なんて漏らしてしまった。いや、ほんとに感動したんですわ。しばらく足が動かなかったぐらい。

その旅の目的の一つであったヴァッサー。美術作品なら、何かの機会でも日本にやってくることがあるかもしれないけれど、建築物は絶対にその地でしか見られない。だから余計に感動の度合いも大きいというか。
クンスト・ハウス・ウィーン
これがヴァッサーの作品のひとつ。クンスト・ハウス。クンスト・ハウスはミュージアムにもなってて、ヴァッサーの絵画作品なども堪能できるようになってる。ヴァッサーの絵画はきちんと見たのは今回が初めてだったのだけど、ほんとこの人は素敵な人だと感じた。絵画も好きになってしまった。

フンデルトヴァッサーハウス
こっちがヴァツサーハウス。こちらは普通に住宅として使われている。その日は一回ではフリーマーケットみたいなものが開かれていた。こんなところで住めたら愉しいだろうなと思う。


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