ショックが大きいと身体は自然に震えるよね

月曜日が誕生日だった。誕生日とはいってもこの歳になると特に感慨なんてものもない。自分の年齢が38歳なのか37歳なのかさえよくわからなくなるぐらいだし、そこに過度の関心も興味もない。
でも、そういえば、38歳というは人生を1日として考えると正午にあたるなんてことをユングが言っていたらしく(そんなことを書いた本を書店でチラ見したというだけで、本当にユングがそんなこと言ってたのか知らないのだけど)、正午ということはこれから本格的な活動が始まるというか、もっとも精力的に活動できるというようなイメージがあるし、という意味であれば、ボクはまさにこれからが人生のもっとも濃密な時期を迎えるということになるわけだ。

そんな人生の節目のその日だったけれども、いつもの月曜日と何ら変わることはなかった。

午前中は何人かとかなり激しい議論みたいなものを交わし、昼は今年から始めた日替わりでのランチ時間を使ったスタッフとの交流会。その後、再び、とあるプロジェクトのチーム陣に、そのプロジェクトの目的やら重要なことやらというのをなかなかうまく言葉にできてないと自分で思いながら話をしと、朝から15時過ぎまでは、ほとんどデスクワークをしていなかった。

会社統合での予算の調整が未だきちんと終わってなかったり、3年、5年の計画も含めたロードマップなんかも作りかけた状態だったりして、随分とそのあたりが遅れてるので、取り戻さねばと業務にとりかかって集中力が高まってきていたちょうどその頃だろうか。

突然、事務所の電気が消えた。何事と思いつつ、ボクは実は電気を消した人間に文句をかましかけていた。なにせ、かなり集中して取り組んでいて、いい感じ作業が進んでいた頃合だったのだ。それを強制的に中断された。何やってやがんだと。
「電気つけてくれ」と叫びそうになった、まさにその瞬間。

「はっぴぃば〜ば〜すでい」
という声が会議室に抜ける扉の方から聞こえてきた。

目を向けると、暗闇に揺らめく蝋燭の炎。

がーん。がーん。がーん。

もちろんその瞬間に気づいたわけだけど、それはまぁかなりの衝撃で。今、こうやって思い出しながら書いてると、その時、自分が何を考えたり思ったりしたのかよくわからないのだけど、とんかくなんとも驚きだった。

そう、誕生日のお祝いにスタッフの皆がケーキを用意してくれたのです。
しかも、こんなサプライズの登場もつけて。

だんだん事態が飲み込めくるとともに、身体が震えだした。

自分の元に正味に38本の蝋燭を立てたケーキが配置され、お決まりコースでそれを吹き消す。電灯がつくと、そこには38本の蝋燭の炎で表面がどろどろに溶けた白いケーキ。普通なら、ツッコミの一発も入れないとダメなところなんだろうけど、どうにも声がでない。

人間って衝撃を受けると、身体が震えて自分の思い通りに身体を動かしたりできなくなるものなのだということを身を持って体験した。年末に元社員のNくんにドッキリを仕掛けて、そのドッキリがあまりにも衝撃的だったせいで、Nくんがその後、一晩、身体の震えが止まらず、横にもなれず、寝ることもできず、という状況に追い込まれた姿を見て、なんてココロの弱いやつだと一笑してたのだが、今回で少しNくんのあの時の気持ちがわかった気がした。ごめんNくん。

さすがにこの演出は感動した。まったく予想外だった。
その後、仕事に戻っても、心は上の空で、うまくキーボードも打てない。モニター見て、うんうん唸ってるフリをしながらも、実は数時間ぐらいは、ほとんど何もしてなかった。メールを書いてていても「すいませんありがとうすいませんありがとうすいませんありがとう」と、わけのわからない文字列を繰り返しタイプしてて、はっと気づいて書き直しとか。

そんな状態になったことってあまり記憶にないんだけど、それぐらいの出来事だったということ。
ほんとにねぇ、いやまぁ、驚いたということもそうなんだけど、その背景には色々抱え持ってるものもあって、そういうものすべて含めて、すんごく嬉しかったのです。自分はほんとに幸せものだと。

Kicx0199

ということで、ほんとにみなさんありがとうございました。
気分的には、村上春樹の「風の歌を聴け」のDJが感極まって叫んだ「僕は・君たちが・好きだ。」って一言。
ボクも叫びたい、そんな感じです。はい。
頑張ってもっとみんなにいって素敵な会社、場所をつくっていきたいと思います。
これからもよろしくお願いします。







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