伝わる・揺さぶる!文章を書く

伝わる・揺さぶる!文章を書く

伝わる・揺さぶる!文章を書く
タイトルだけで想像すると文章のテクニック・技法を説明した本かと勘違いする人もいるかもしれないけれど、そういう本ではない。
「本書で目指す文章力のゴール」を著者は「あなたの書いたもので、読み手の心を動かし、状況を切り開き、望む結果を出すこと」だ。つまり「機能する」文章を書く、そのための「考え方」「考えるための方法」をレクチャーしている本なのだ。
ここで説明されている考え方は、文章を書くときだけに使える限定されたものではなく、より広くいろいろなところで役に立つはずだ。あらゆるコミュニケーションの場面で何かしら得るものがあるだろう。

文章の7つの要件
「機能する文章」を書くための要件として、著者は以下の7つを上げる。
  1. 意見
    意見とは、自分が考えてきた「問い」に対して、自分が出した「答え」である。(P.41)
  2. 望む結果
    「何のために書くか?」結果をイメージすること(P.54)
  3. 論点
    「論点」とは、文章を貫く問いだ(P.64)
    論点と意見は、問いと答えの関係にある(P.70)
  4. 読み手
    読み手が誰なのか、どんなことを考えるのか、相手の立場や相手との関係を考えること。「相手にわかるか?」「相手が興味を持てる内容か?」「相手にこれを読むとどんな意味やメリットがあるか?」「相手はどんな人か?」「「相手は今、どんな状況か?」「これを読んで相手はどんな気持ちになるか?」
  5. 自分の立場
    自分の立場、相手との関係を俯瞰的に見ること
  6. 論拠
    説得力は論拠から生まれる。自分の都合の良い理由だけを並べてもそれは「論拠」にはならない。
  7. 根本思想
    この発言に向かわせている根底にある思い(P.106)O
仕事上、メールを書くことは多い。
メールを書くとき、そこには当然「目的」がある。
社員に向けたメールを書くときには、そのメールを読んで社員がどうなって欲しい、どう考えて欲しい、どんな風に行動して欲しいという願望がある。しかし、それをきちんと考えメールを書くことは少ない。
本書を読むと、いかに自分が適当に、そして安易にメールを書いてきただろうと悔やまれる。

「論点」の絞込みが甘く、途中で脱線して結果的に自分の言いたいこをを一方的に書いてしまったり、最も論で「論拠」を片付けてしまったり、そもそもこれを読んでその人にどんな風に行動して欲しいのか、考えて欲しいのかという目的自体を忘れてしまい、結果的にただ人を嫌な気分にさせるだけだったり。

それで読み手が「理解してくれない」とか「誤解している」とかって一人愚痴たり。とんでもない大間違いだ。「伝わらない」のは相手が悪いからではない。文章が下手という理由だけでもない。「機能するため」の文章に必要な要件を曖昧にしか満たしていないからだ。より深く、より俯瞰的に考えていないからだろう。

今度から、文章を書くときには、一旦この7つを必ずチェックし、十分に考えてから書くことにしよう。

といいながら、えらく軽くこんなエントリーを書いてたり…

ちなみにこのエントリーは僕は、一番の読み手を僕自身に置いている。今度文章を書くときに忘れたら、このエントリーを読み返すことで戒めたいという思いがあるわけだ。(にしては、尾ひれ/背びれが多いけど)
ただ、それを一般に公開されるブログに書くということで、ある程度不特定多数の人が読むことをも考慮に入れている。
このエントリーを読んだ人がこの本の存在を知り、多少なりともこの本に興味が沸けばいいなと思って書いている。

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コメント

  1. booksjp より:

    伝わる・揺さぶる!文章を書く

    お願い、お詫び、議事録、志望理由など、私たちは日々、文章を書いている。どんな小さなメモにも、読み手がいて、目指す結果がある。どうしたら誤解されずに思いを伝え、読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?本書では小論文指導のエキスパートが、「意見」「望む...

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