楽天のプレゼント管理機能の問題

楽天

楽天のRMSには「プレゼント管理」機能があるが、これには致命的な問題がある。
楽天でプレゼントを実施すれば、当選者のかなり少ないもので、特に需要が高い品物でなくて1,000人や2,000人の応募者を集めることはできる。

たいていの店主はすごい数が集まったと喜ぶのだが、この応募者のうち実際どれぐらいの数が正規の応募者なのか…. たいていの店主はあまり意識してないのではないか。

問題なのは、とにかくプレンゼントへの不正な多重応募者が多いということだ。
その数が尋常なレベルではない。実態を知った人はかなり驚愕するだろう。それぐらいのレベルだ。名前を微妙に変えて住所は同じで応募する人が何十人、何百人といて、1人で100近い別名で応募する輩も数多くいる。何らかの自動化ソフトなどを使って応募を繰り返しているのだろうが、こういった悪質な多重応募を楽天自体はきちんと取り締まっていない。(取り締まっているのかもしれないが、取り締まれていない)

では、店舗側でなんとかすればいいじゃないかと思うだろうが、それがそう簡単ではない。

まず、楽天のプレゼント管理システムは当選者を選ぶまで、その当選者の詳細情報は閲覧できない仕様になっている。個人情報保護などや、プレゼントでリストを集めて、不正に利用する店舗などの問題などからの配慮なのだろうが、この仕様が大変な厄介をはらむことになっている。

プレゼント応募実施段階で店主が閲覧できるのは名前と応募日時、そして任意に設定できる質問項目への回答ぐらいなもので、これらの情報からはその応募が不正な多重応募なのかどうかを判断することは殆ど不可能である。

不正多重応募かどうかは住所までを見ることができて初めて気づくわけだが、当選させた人しか住所は見られないので、選んだ人が不正応募者かどうかの判断がつくわけがない。

(不正多重応募者は、「名前」を変えて同一名字、同一住所で大量に応募する人が多い。また、「斎藤」「斉藤」「齊藤」など漢字を使い分けるユーザーも多い。さらに名字さえも変えて応募する人も実はいる。日本の宅配・郵便制度が優秀すぎるからだろうが、表札が掲げられていなければ名字がなんであっても住所でたいていのものは届くからだ。住所にいたってもいろんな表記方法を用いている輩も多い。)

同じ名字の人間は何人もいるだろうし、そういう不正多重応募者は「鈴木」や「斉藤」「斎藤」などのよくある名字を利用する。当選者に指定してない段階では、仮に「鈴木」という名字の応募が明らかに異常な数応募があったとしても、その「鈴木」の中に不正多重応募者でない鈴木さんがいるのかどうかは判断つかないのだ。
不正多重投稿に使われやすい名字での応募者には当選させなければいいという考えもあるかもしれないが、これだとその名字で本当に応募している人との大きい不公平が生まれてしまう。

また、そもそも当選者を選んでそのユーザーデータをダウンロードでもしない限り、応募者のデータは応募日時順に並んで表示されるだけで、名前でソートかけたりすることもできない。システム的に何十時間ごとに応募というようなことをされてたら、RMS上から応募者を俯瞰的に眺めて判断することなど出来ない。一覧表示のMAXは100件なので1,000、2,000の応募が平気でやってくる状況で、そのなかからソートなどもかけずに怪しい応募者を目視で確認するというのは店主にとっても負担が大きい。

当選者しかデータを見ることができないという仕様から、そもそも不正多重投稿があることを知らない店舗も多いのではないか。当選者が1人、2人というようなものでの実施だと、その当選者が不正多重投稿者かどうかは判断つかないわけだし。その当選者ももしかすると一人で100、200の応募を行っているうちの1人なのかもしれないのだが、店主側では気づきようがないというのが現状だ。

私は、たまたま何千人という応募者から何百人という当選者を選ぶということをシステムで自動でやったときに、多重不正応募者の存在を認識することができた。
そのシステムが選んだ何百人の当選者に何十という同じ住所の応募者が選ばれていたのだ。
その割合の多さに唖然とした。もちろん、ランダムに選んだ何百人のなかで同じ住所の人間がこれだけいるということは、選ばれてない何千人の中にもかなりの数の不正応募者がいることは明らかだ。しかし、楽天のシステムではそれがわからない。
その時は、選んだ何百人中の明らかに不正応募者をまず当選取り消しにして、再度同じ人数選びなおした。楽天のシステム上は設定した当選人数を選ばないといけない仕組みになってるからだ。新たに選んだ人ももしかしたら不正多重応募者かもしれないのだが、それはわからないので、ひとまず不正多重応募者を除いて、残っているリストと掛け合わせて、住所の重複がないかどうかをチェックする。驚くのはこれでチェックすると、また不正多重応募者が現れる… これを何度も何度も繰り返しす。何度繰り返しても応募者全員の住所が見られない限りは、選んだ人が不正多重応募者でないという保証は得られない。

自動で当選者を選ぶ仕様に少なくとも住所が同じならば選ばないというようなオプションぐらいつけて欲しいものだが、厳密には日本語特有の表記のブレなどを逆手に取れば、システム的な判断から逃れる方法はいくらでもあるので、抜本的な解決にはならない。
住所のテキストデータの近似値を設定して、似た住所を使ってる人を抽出するみたいな機能でもあれば話は別なのだろうが。何%似ている住所の人を抽出みたいなね。難しいのだろうけど。

不正多重投稿の何が問題かといえば、まず彼らは完全なオポチュニティシーカーであり、プレゼントに当てることしか目的にしていないので、まずそもそも懸賞実施の意味が店舗側にはほとんどないということがある。

店舗側としては、自社製品などをプレゼントにして、その商品に興味ある見込み客を集めたいという思いがあるわけだが、不正多重投稿者には意味がない。もちろん、きちんと普通に応募している人も懸賞だ当ったらラッキーぐらいの感覚で「とりあえず」応募している人も多いだろうし、そういう人が見込み客になるかというと、難しいのかもしれない。ただ、不正多重投稿によって一般の人たちも当選確率が不当に落ちるというデメリットを蒙っていることは確かだ。


実は楽天のこのシステムの問題にはもう1つ別の問題がある。

それは店主が不正を働くことが可能だということだ。店主が別アカを作る、あるいは身内に応募させるなどで、その人を当選者としてしまうなどの不正が簡単に行えてしまう。当選者の決定は店主自らも行えるからだ。名前しかと応募日時ぐらいしかわからないとはゆえ、それらの情報があれば、該当の応募者を見つけることは可能だ。
お手盛りプレゼントなどを実施している店も少なくはないんではないかと勘ぐってしまう。

この両方の側面を解決しない限り、現状のプレゼント管理機能は店主側にとってもユーザー側にとってもあまり良い仕様とは言いがたいものだ。

ただし、この店主側の不正問題は楽天のプレゼントでなくとも、独自店舗だろうが行われる可能性があり、ここは店のモラル、道徳観の問題に左右される。なので楽天で出来ることは店主自らが当選者を選べないようにするぐらいの対応だろう。
が、店主自らが選べないようになれば、ますます不正多重応募者のチェックや排除は難しくなる。
少なくとも独自店舗などで独自にプレゼントを行うならば、
あらかじめ応募者のリストから不正多重応募者のチェックを行ってから抽選するというようなことができる。楽天ではこれができない。
当選させた人を当選取り消しにすることはできるのだが、そもそもその人が不正多重応募者かどうかは少ない当選人数では判断つかないわけだし、本当に調査するには全応募者のデータからチェックしないと無理なのだ。

その機能を提供しないのであれば、楽天は不正多重投稿の防止措置やマルチアカウント対策などをもっとシビアにやるべきだ。

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