佐内正史「浮浪」

佐内正史「浮浪」。
これも1000部限定のようで、佐内さん自家彫り(という噂)の名前やタイトルが刻まれている。

写真集の舞台は京都。京都は何気なくカメラを向けてしまっても、すぐに絵になってしまうような町だが、佐内さんは決して「絵」をつくろうとはしない。
イメージとしての京都ではなく、リアルの時間が流れ、空気が満ちている京都だ。メディアなどがとりあげるような括弧付きの京都ではなく、ある年のある冬の普通の京都だ。
いかに意味化してしまうことを避けるか、佐内さんの写真というのは、つねに狭間を揺れ動く。
何回か「浮浪」の世界を眺めて、あぁこれはやっぱり佐内さんなんだなぁという感想にいきつく。決定的なシャッターチャンスというところから、もっとも遠い場所にいてるように見えながら、実は、その1枚1枚がその瞬間であるような写真。7,000円という値段は金欠気味のボクには痛いけれども、写真集自体の手作り感や1,000部限定のプレミアム感も含めて、買ってよかったなと思える写真集だと思う。

IMG_7294.JPG
シリアルナンバーは358。早すぎず、遅すぎずという感じだろうか。

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佐内さんの手彫りかな?

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