「おおかみこどもの雨と雪」

映画「おおかみこどもの雨と雪」を観てきた。

いい映画だったなー。うん。設定のメルヘンさと、立ちはだかる諸問題のリアリティとのギャップが面白いんだけど、特に面白いなと思ったのは、設定とかストーリーとかを意識して登場人物を動かしてないところだろうか。

どっちかというと、こういう設定や環境だけ用意して、後は、花だったらどう考えるだろう、子供たちはどう考えていくだろうと、各々のキャラクター自身に考えて、行動させたような感じだ。だから映画全体としてあんまり無理がない。起承転結とか、どこで盛り上げてどこで泣かせよう、みたいな策略が先にあったわけでもなく、そりゃおおかみと人間の間の子を独りで育てるんだもん、大変だわな、こんなことも起こるわな、と自然に思えてくる。

こういう特異な設定ってリアリティの方に振りすぎても、メルヘンに振りすぎても詰まらなくなってしまうというか、ただ単に語ろうとしてるものを直接語ると角が立つとか、面白くないんで、そういう設定を借りて語っとこうみたいな作為に溢れてしまいがちだけど、でも、まぁ、そのへんは細田さんは前二作でも物凄くうまく処理してて、やっぱり今回でもそこは守り抜いてた。だからこそ堅苦しさや説教臭さや、教訓めいたところもなく愉しめる。花の自然さとか、子供の成長とか葛藤とかも、そのままで受け止められて、まるで映画に出てきた花を支える田舎の人々みたいに、映画観てる人も素直にとりあえず応援しよ、みたいな気持ちになれるんじゃないかなと思う。

まぁでもこの映画。なんだかんだいっても圧倒的なのは音楽だ。
高木正勝さんの素晴らしい音楽。
あまりにも音楽が素晴らしすぎて、音楽だけで泣けてくる。
この音楽がこの映画の魅力をかなり引き上げてることは間違いない。
もちろんサントラ買った。
おおかみこどもの雨と雪 オリジナル・サウン – 高木正勝

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