2008年12月13日(土)

木曜日の夜に妻が熱を出した。最初測ったときは37度で、本人もまだぴんぴんしてて「熱でてきたー」と余裕だったのだが、測るたびにどんどん高くなっていき、明け方には39度の大台に乗っていた。金曜日はボクは仕事だったけど、近くに住んでいる妻の友達が看病に来てくれて、病院に連れて行ってくれた。インフルエンザ検査はしたが陰性反応。発病から間もないと検査にはでないらしい。急激な熱のあがりかたや関節の節々が痛いという症状から医者もインフルエンザだとは思うんですが…と、ただ断定はできず、インフルエンザではない可能性もあるのでタミフルなどの投与は避けて、ひとまず頓服とインフルエンザに効く漢方薬を処方してきてもらったようだ。
仕事を終えてかえっても高熱は続いていて、関節も相当苦しいらしく、布団のなかで時折うねり声をあげている。頓服を飲んで数時間は熱が抑えられ、痛みも和らぐようだが、薬が切れ始めるとまたすぐ熱があがってくる。ボクは何かあったらと思い、隣の部屋でうとうとソファーに横になっていたのだけれど、予想通り完全に寝てしまい、夜中に妻がパジャマの着替えをとりにいったり、トイレにいったりしてても全然気づかなかった。
「頓服」ってそれまで知らなかったのだけど、これって服用方法の1つのことだったとは。痛みとか熱とかがあるとき、つまり必要なときに服用する薬のことらしい。この年になるまで痛み止め、熱冷ましの定番の薬の1つぐらいにしか思ってたなかった自分の無知さに今更ながらに驚いた。
土曜日は昼過ぎから、熱も37度台に落ち着いてきて、随分調子もよくなったようだ。
明日から出張ということもあり、また年末までの週末にほとんど時間がとれなさそうな状況なので、今日行っとかねばと、こんな時だけど洗車に行った。ついでに部屋の電球が2つ同時に切れたのでその補充も。洗車に1時間ぐらいかかりそうなので一乗寺界隈をぶらぶらする。久々に「せんなり」で昼ご飯を食べた。「せんなり」はいかにも地元の定食屋という感じの店で、妻が一乗寺に住んでいた頃にも良く通った。何もかも普通なところが素敵なお店だ。土曜日の昼は予想どおり地元のおじさんやおばさん、学生たちで賑わっている。肩肘張らずぶらっと行ってトンカツ定食やら出し巻き定食やらサンマ定食といった、定番定食が食べられるというのはありがたい。ボクは納豆定食を食べた。
そのまま恵文社で何冊か本を買ってガソリンスタンドに帰ってくると、ちょうど洗車が終わったところだった。こんなにきれいになったのは何ヶ月ぶりだろうか。もう少し丁寧に扱ってやらんとなぁと反省。

先週読んだり買ったりした本。


“超・美術鑑賞術/お金をめぐる芸術の話 (ちくま学芸文庫)” (森村 泰昌)
有名絵画などに自ら扮したポートレイトなどでおなじみの森村泰昌さんの美術鑑賞手ほどき書。ここで森村さんが言うのは、「世相がナビゲーター、美術がナビゲーター」と「脳の初期化」という二つの手法を美術鑑賞時に持ち込むこと。自画像を好んで描いたレブラントと「プリクラ」でのセルフポートレイトを並列に眺めたり、ピカソの作品を題材にフランス料理のフルコースメニューを考えてみたりと、今までのお堅い美術鑑賞、批評とはまったく違う次元で、もっと素直に、そして大胆に美術を、アートを楽しもうと語りかけてくれる。アートはわからない、美術は難しいと身を引いてしまう前に、肩肘張らずにもっと自然のままにアートは楽しめばいいんだよ、というメッセージ。まったくその通りだと思う。


“意味がなければスイングはない (文春文庫)” (村上 春樹)

村上春樹は小説を読んでいても、すごく幅広いジャンルを聴くんだけどやはり偏りがあるなぁと思う。その偏りが村上春樹っぽいと感じてしまうのは、すでに村上春樹の世界にそれらの音楽家やアーチストがなくてはならない存在になっているからだろうか。ボクもスタンゲッツは最も好きなジャズミュージシャンの一人だが、文章を読んでると村上さんはほんとにゲッツが好きなんだぁとひしひし感じられる。薬物中毒で人間としてもどうしようもなかった彼がなぜ演奏となると、あれほどまでに奇跡的とも思えるメロディーを生み出せるのか。ゲッツの「どうしようもない」人生を綴りながら、所々で彼のプレイを絶賛していてそこに愛が感じられるのだ。
スガシカオが唯一、日本のポップ・ロック音楽のミュージシャンとしてとりあげられていること。小説にもあまり日本人のミュージシャンは登場しないだけにこれは意外だった。


“FOIL vol.2” (フォイル)

写真集。こんな本があったとは。このVol.2を恵文社で見つけて、すぐにVol.1も欲しくなりAmazonで注文した。
アートディレクションは角田純一さん。岡本太郎や奈良美智などの撮った写真なども興味深い。


“FOIL vol.1” (サイ・トゥオンブリー、エド・ルシェ、ピーター・ドイグ、梶井照陰、ほか)

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