ミニチュア写真の江ノ電版「江ノ電ミニチュア散歩」

本城直季の「small planet」は大好きな写真集の一つだ。見ていて、こんなに愉しい写真集は他にはない。
ミニチュア的世界が現実とつながっていて人々の営みや時間、歴史みたいなものを1つ1つの写真が語っているのだ。どの写真を見ても、そこには人々の営みが垣間見られる。眺めているだけで幸せな気持ちになる。

この写真集を見ていると、自分もこのミニチュアみたいな世界の住人の一人に過ぎないんだという感慨が湧き上がってきて、そうすると、些細な悩みだとか怒りだとか悲しみだとか、ついさっきまで気にしてた胸のつっかえみたいなものがすっと降りてくれたりするのだ。

この手のミニチュアっぽい写真は、本城さんが一躍有名にした感があるが、昨日、本屋をぶらついてて、「江ノ電ミニチュア散歩 (三才ムック VOL. 216 鉄道ミニチュア散歩シリーズ Vol. 1)」という本を見つけた。
本の作りは子供向けっぽいが、そこに乗っている写真は江ノ電路線の本城直季版とでも言うべきか。鎌倉や江ノ電の名所・各所がミニチュアのように切り取られている。
この写真集もコンピューター加工などは一切行わず、ヘリコプターからの特殊レンズを用いて撮影されたものらしい。特殊レンズとは、おそらくチルトレンズのことだろう。

この写真集も「small planet」に負けずとも劣らず愉しい。

「small planet」は日本各地を始め、海外の写真も多く含まれているが、この写真集はその名の通り「江ノ電」に絞られている。鎌倉駅から順番に江ノ電の主要駅をピックアップして、その付近を俯瞰撮影した写真ばかりだ。
鎌倉・江ノ電沿線をよく知ってるわけでもないけれども、友達も一時住んでいたこともあったり、個人的にも鎌倉が好きで何度もぶらり散歩に出かけてることもあり、馴染みがある。「small planet」で切り取られた光景には、ほとんど見覚えがないのだけれど、「江ノ電ミニチュア散歩」の写真はだいたいが知ってるところ、行ったことがあるところで、より身近に感じられる。ほんとに散歩している感覚で愉しめるのだ。




最近では、この手の写真を簡単につくれるサービスも出てきているが、
(「自分の撮影した写真をミニチュア風に変えてくれる「TiltShift maker」:GIGAZINE)

以前、ボクも何枚か「ミニチュア写真」を加工で作っている。そこ頃はこんな便利なサービスもなかったのでGIMPを使ったのだが、どんな写真でもミニチュアっぽくなるかというと、そういうわけではない。
写真そのものにもある程度の制約はある。ミニチュアっぽく見せるには、出来れば俯瞰の絵が好ましく、また海や河、森などの自然が入ってるとよりそれっぽく見えるのだ。

そして加工のコツは画面のある部分以外をぼかすということ。基本的には中心付近を残して、その上下をぼかしてしまう。そして彩度を上げる。
すると不思議なことにミニチュアっぽく見えるのだ。
例えば、こんな感じ。

(拡大するとよりミニチュアっぽく見える)

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