ツイッターノミクス TwitterNomics

4163724001ツイッターノミクス TwitterNomics」─ 仕事で堂島アバンザに来た帰りに、アバンザの本屋に寄ったら、入り口にずらーっと並んでいた。よくわからず、タイトルに「ツイッター」という言葉が入っているから、ここ最近やたらと刊行されているツイッター本の新しい奴かなぐらいかなと思って手にしたのだけれど、内容は全然違うものだった。

内容的には「グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 (Harvard Business School Press) 」(参考:papativa.jp – いまさらだけど「グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略」)に近いだろうか。

ソーシャルメディアが社会インフラになるような世界で、企業はそれにどのように向き合い、参加していかなければならないかと問いかける。新時代のマーケティングのための心得を説いた本だ。

著者の主張は第一章に集約されている。それは、「ウッフィー」を獲得し、増やしていくことが、今後の企業の事業活動やマーケティングにおいて欠かせないという主張だ。
「ウッフィー」とはソーシャル・キャピタルと言い換えられるだろうか。要は、人々から得られる信頼みたいなものだ。
ソーシャルメディア社会だろうが、インターネットがない時代だろうが、「信頼」が人々のコミュニケーションや、企業活動にとって重要なものであったことには変わりないだろうけれど、このソーシャルメディア社会においては、それは今までにも増して直截的な影響をもたらす。
著者はそのことを、本書を出版するにいたった自身の経験なども絡めながら様々な企業事例と共に紹介している。

著者は、「ウッフィー」を獲得していくために必要な心得として次の5つをあげている。

1.大声でわめくのはやめ、まず聞くことから始める
2.コミュニティの一員になり、顧客と信頼関係を築く
3.わくわくするような体験を創造し、注目を集める
4.無秩序もよしとし、計画や管理にこだわらない
5.高い目標を見つける

これなども、「グランズウェル」のなかで掲げられてた、「傾聴」「会話」「活性化」「支援」「統合」の5つの戦略とも重なる部分が多い。両本とも補い合うところがあると思うので、合わせて読むと、より理解が深まるのではないだろうか。

他、内容的には特にとりたててピックアップすべきところもないので(価値がないという意味ではなくて、反論・異論の余地がほとんどないという意味で)、せっかくなので本書内で紹介されていた事例やツールの中で、あまり知らなかったものをメモしておこうと思う。ネタに使えるかな。

(1)
Threadless graphic t-shirt designs; cool & funny t-shirts weekly! Tees designed by the community.
登録者数は50万人近い。社員35人。Tシャツデザインのコンテストサイトから始まったサービス(日本で言うとTセレクトなんかに似てる)。成功の秘密は社長のジェフリーやCEOのジェイク自身がコミュニティに膨大な時間とエネルギーをつぎ込んでいるから。

(2)
ウォルマートでは、商品の選択から仕入から店舗の棚の配置まで、すべてある一人の実在する女性客に合わせてやっている。このような特定の具体的な顧客(これがペルソナなのだろう)にフォーカスして、施策を実施している企業に、ヴァージン・モバイルや、アマゾンがある。

(3)
ロイヤリティーフリーか一回限りの使用料を払えばいい楽曲を探すなら、Magnatunemobygratis.comStock Music – Royalty Free Music with an Edge
あたりを探す。

写真なら、iStockphoto
GoogleAlertにTwitter版みたいなものか。Tweet Scan(日本語はうまく動かなさそう。Twitterの特定の検索結果をRSSで拾うことでもある程度代用はできるだろうけど)。
自費出版なら、Lulu.comMake your own photo book with Blurb

Get Satisfaction – People-Powered Customer Service
カスタマーサービスの進化系。メッセンジャーバッグで人気のティンバックツー(Timbuk2 Bags – Timbuk2)で活用されている。こんな感じ。
Community-powered support for Timbuk2」OKWaveと関心空間とかが組み合わされたような企業向けのサポートツールみたいなものか。

(4)
代替え現実ゲーム(ARG)
Cruel 2 B Kind – a game of benevolent assasination
ゲームを通じて「親切を増やす」「人を喜ばす」などを実践。

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コメント

  1. [...] 以下は、http://papativa.jp/archives/2015 からの引用です。 [...]

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