7つの習慣:重要事項を優先する
「7つの習慣」第三の習慣は「重要事項を優先する」だ。
「7つの習慣」で多分一番有名なのは、この章に出てくるマトリックスではないだろうか。僕自身も覚えていたのはマトリックスぐらいだった。
第三の習慣の前提は「自己管理」であり、効果的な「時間管理」だ。
時間管理は以下のような過程で発展してきた。
第一世代
「メモ」や「チェックリスト」
様々な要求や日々行わなければならないことを整理する
第二世代
「カレンダー」や「予定を書き入れる手帳」
将来の活動や出来事をスケジュール化しようとする思想
第三世代
前二つの世代の概念に「優先順位づけ」「価値観の明確化」および「目標設定」の概念を加えたもの。現在の時間管理の主流。
著者が提唱するのは、これら第三世代までの時間管理とは全く異なる概念だ。
第四世代では「時間管理」という言葉自体を誤りと考える。なぜなら時間は管理できるものではない。唯一管理できるのは、自分自身でしかない。
第四世代では、「物や時間に集中するより、「大切な人間関係」や「生活の役割」、あるいは「大切な目標達成」に焦点をあわせている。簡単に言ってしまえば、生活における「P/PCバランスを維持する」ための手法である。(P.212)
この第四世代の時間管理の中心的な概念を現したのが、「時間管理のマトリックス」である。
時間管理のマトリクスは、こちらを参照。
すべての出来事は「重要/重要でない」「緊急/緊急でない」の四象限マトリックスのどこかに位置する。
簡単に言えば、上記ページにある「II.生産性とバランス」(本書では第二領域と呼ばれている)に集中し、効果的な自己管理を行わなければならないということだ。第二領域に割く時間をとっていくことで、第一領域の時間が減っていきより効果的な生活を営むことができる。
第二領域に集中するためにはそれ相応のツールが必要であり、その思想を下敷きとしてつくられている手帳が「フランクリン・プランナー」というわけだ。
ポイントは、スケジュール課題に優先順位をつけることではなく、優先課題をスケジュールに入れることである。(P.230)そしてそれを、週単位で計画していくこと。
第二領域に集中した一週間の計画のプロセス
1.役割を定義する
自分の生活の主な役割を書き留める。
ここではずっと継続する役割を定義する必要はなく、次の一週間で過ごす大切な領域を定義するだけでよい。
2.目標設定
1で定義した役割において、次の一週間で達成したい大切な目標を二つか三つ設定する。この目標では第二領域の活動を目標として掲げること。
3.スケジュール化
2のステップで設定した目標を念頭に、目標をなし遂げるための活動をスケジュールに入れる。この時、この第二領域の活動だけでスケジュールが一杯になるようにしないことがポイント。当然だけど、第一領域や第三領域の時間がなくなるわけではない。バランスをとっておく必要がある。
4.日々の対応
毎朝、数分間自分のスケジュールを見て、一週間の目標を振り返り、自分が今直面している状況を再確認する。
この四つのステップで重要なのは、「目標設定」は、第一、第二の習慣で学んだ価値、原則に基づき設定されること。また、自分自身に約束を入れていくということ。自分自身に約束を入れて、可能な限り第二領域の時間を自らつくりだしていくことが必要。
このステップについては、「最重要事項を達成するための4つのステップ」に詳細がまとまっている。
デレゲーションについて
このような目標達成には、二つしか方法はない。自分でやるか、他の誰かにその仕事をまかせるかだ。他の人に任せることをデレゲーションと言う。
デレゲーションを完全な形で行うには、次の五つの事柄を明確に打ち出し、相互理解と決意を得るようにしなければならない(P.248)
- 望む結果
「どうやって」より「何を」
手段ではなく結果に焦点をあわせる。望む結果をイメージして鮮明に描く。いつ達成されるのかを明確に文章で表現してみる。
- ガイドライン
守らなければならないルールがあればそれを明確にする
必ず失敗すると分かっているやり方があるなら、それも明確にしておく
- 使える資源
望む結果を達成するために、活用できる人的、金銭的、技術的、組織的な資源の範囲を明確にする。
- 責任に対する報告
結果を評価するために使われる基準を設定し、評価する人は誰なのか。報告と評価が具体的にいつ行われるのかも設定する。
- 履行(不履行)の結果
評価の結果によってどうなるか(賞罰)を設定する。
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7つの習慣 最優先事項
7つの習慣 最優先事項―「人生の選択」と時間の原則posted with ama