ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則
ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則 | |
神田 昌典 齋藤 慎子 依田 卓巳 ダイヤモンド社 2008-09-20 売り上げランキング : 301 おすすめ平均 コピーライティングのバイブル 理解ができない 対訳に無理あり、コンセプトは素晴らしい Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「売る」ためのコピーライティング本としてはバイブルみたいなものだ。事例も豊富で、事例だけを拾っていっても、様々な気づきを与えてくれる。
その他多くののコピーライティング本を読むまえに、まずこの本を手に取るべきだろう。
こういう本で「面白い」という表現は不適切かもしれないが、ボク自身はとにかく面白かった。一度読み始めて辞められずに、けっこうかさばる本だけれども客先への道すがら、電車内などで読むために持ち歩いて、暇があればページを捲った。
インターネットなども存在しない頃の本ではあるが、ここに展開されているテクニックや考え方は、ほとんどがそのまま今でも活用でき、しかも高い効果を生み出せるものばかりだろうと思う。
特に、キーワード広告を活用してランディングページに誘導。そこからアクションへというような定番のプロモーション型において、本書で説明された手法をきちんと理解して活用できれば、相当の効果を期待できるだろう。
時代や国や言葉、文化の違いなどを超えて、なぜこの本に展開されている手法が今も有効なのか、それは少し不思議であはるが、おそらくそれは本書で書かれたことが人間の根源的な心理や精神を動かすスイッチを探しているからではないか。そのスイッチのありかといのは、実は、大部分の人間は同じところか近くにあるんだろう。
本書で最も大きいウェイトを占めているのが「見出し」だ。
コピーライティングの中で最も重要な要素は「見出し」であり、この「見出し」の良し悪しがその広告の成果に大きく左右する。
次にあげる効果的な見出しにするための35の型は、著者が実際にテストを行い、比較をして効果があると実証したものばかり。お墨付きの型だ。
俯瞰的に眺めれば、とりたててスゴイものもないし、昨今のDMやチラシ広告などでも使われているものばかりだ。言い回しや表現方法にはアレンジ、工夫が加えられていっているが「型」として見れば、「効く」見出しの殆どはこれらのどれかに当てはまるのではないだろういか。
◆「新情報」見出し
型1.見出しを「ご紹介」で始める
型2.見出しを「発表」で始める
型3.発表のニュアンスがある言葉を使う
型4.見出しを「新」で始める
型5.見出しを「いま、さあ、ついに」で始める
型6.見出しを「とうとう、いよいよ」で始める
型7.見出しに日付や年を入れる
型8.見出しをニュースネタ風にする
◆価格に関する見出し
型9.価格を見出しのメインにする
型10.割引価格をメインにする
型11.特価品をメインにする
型12.支払いの簡単さをメインにする
型13.無料提供をメインにする
◆情報やエピソードを提供する見出し
型14.役立つ情報を提供する
型15.「エピソード」を伝える
◆キーワードを使う見出し
型16.見出しを「●●する方法」とする
型17.見出しを「どうやって、このように、どうして」とする
型18.見出しに「理由、なぜ」を入れる
型19.見出しに「どれ、どの」を入れる
型20.見出しに「他に(誰か)」を入れる
型21.見出しに「求む」を入れる
型22.見出しを「これ、この」で始める
型23.見出しに理由の「~だから」を入れる
型24.見出しに仮定の「(もし)~なら、(もし)~しても」を入れる
型25.見出しに「アドバイス」という言葉を入れる
◆その他の見出し
型26.見出しを証言スタイルにする
型27.読み手を試す質問をする
型28.1ワード見出しにする
型29.2ワード見出しにする
型30.3ワード見出しにする
型31.いまはまだ買わないように伝える
型32.広告主から相手に直接語りかける
型33.特定の個人やグループに呼びかける
型34.見出しを質問形式にする
型35.ベネフィットと事実と数字で伝える
これら35型は何度でも見返したいが、このような具体的なTIPSがてんこ盛りで、どれもこれもアタマに叩き込んでおきたい。
◆効果的なコピーを書くためのTips
・現在形で相手を中心にして書く
⇒「きちんとした身なりだと男性自身が感じるのは、ブルックブラザーズのスーツを着ているとき」ではなく、「きちんとした身なりだとご自分でお感じになるのは、ブルックブラザーズのスーツを着ているとき」
「人々が安心するのは、グッドイヤーのタイヤを使っているとき」ではなく、「安心をお感じになるのは、グッドイヤーのタイヤをお使いのとき」と書く。
・ビジュアルの下にキャプションを入れる
⇒「コピーを読む人より、ビジュアルの下のキャプションを読む人のほうが多い」(デビッド・オグルヴィ)
というようんは具合だ。「現在形で相手を中心にして書く」なんてのは意識したことはなかったけど、言われてみればそうだなという感じだ。出来るコピーライターは、無意識的にこれらをやれるんだろうけれども、ボクみたいな凡人にとっては、こんな風にきちんと文章化、マニュアル化されていると相当心強い。
ついでに、コピーといえば、やはり巨人デイヴィッド・オグルヴィの「ある広告人の告白」の11条も覚えておきたいところだ。(本書の推奨文をオグルヴィが書いてたりもするし) これは厳密には、コピーの掟ではなく、広告全般についてのルールだけれど、ついでに載せておく。
- 重要なのは、「どう」言うかより「何を」言うかだ
- 素晴らしいアイデアを中心に構築されていないキャンペーンは失敗する
- 真実を述べよ
- 人を退屈させておいて、ものを買わせることはできない
- 礼儀をわきまえること、しかしおどけてはいけない
- 現代的な広告を作れ
- 委員会が広告を批判するのはかまわないが、広告を作らせてはいけない
- 運よくよい広告が作れたら、効果が薄れるまで繰り返せ
- 家族に読ませたくないような広告は絶対に書くな
- イメージとブランド
- 模倣者になるな
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コメント
いつも失礼します。
周りの人もこの本がいいと言ってました。
僕は読んでなかったのですが、このエントリーを拝見して
勉強になりそうだと思ったので、ここでポチっとクリックして
買ってみます。(買いました)。
いつもありがとうございます!
読んだらまた感想聞かせてください。