マキュレさんに刺激を受けた

マキュレ社長高橋さんとお会いできた。面白かった。

マキュレさんはいろいろな事業を手がけてるが、非常に面白いなと思ったのは、「おいしい りんご茶」の製造・販売というビジネスと、そしてEC事業関連の細かい諸々の作業を「国内オフショア」(変な言葉だけど意味はわかる)で安価に提供するImageBank24というサービス。

「おいしいりんご茶」に関しては、これ自体のビジネスももちろんだけれど、高橋さん自身がブログで書いている通り、自社で商品開発からチャンネル開拓、販売、顧客サポートといった一連の業務を行うことで得られるノウハウを、受託業務に生かしていくという狙いもある。実際に経験してることと、本で読んだり、人に聞いたりしているレベルでは大違いで、こういう分野でもなんだかんだと実践経験はすごく生きる。

お話を聞いているかぎり、「りんご茶」の販売に関しても「とりあえず」やってみましたというようなレベルを超えていて、ほんとにきちんとした事業として考え、1つ1つ実行に移して入ってる。ほんとにスゴイと思った。こういうのは考えるのは誰でも出来る。問題は考えた後に、実行に移せるかどうかだ。自分自身の実行力のなさみたいなものに、ちょっと悲しくもなる。

ImageBank24は、「青森」を発注先として、地方と都市の価格差を利用したアウトソーシングサービスだ。ECサイトを運営していくには、やらなければいけない細かい作業が山ほどある。それらを格安で引き受けてくれる。普通は、中国やベトナムなどの人件費が安い海外への一括発注みたいなことを考えるが、国内の地方都市でやろうと思いついたのがすばらしい。

ImageBank24もそうだが、最近、常々、この手の誰でも出来るが、積極的にやりたくない作業、多くの会社や人が避ける作業といったものをビジネスにするってことにすごく興味がある。

この手のアウトソーシング分野できちんとビジネスを作るってのは簡単そうに見えてすごく難しい。むしろ、数人のスタープレイヤーをそろえて、スタープレイヤーの実力に頼って仕事を取るってモデルのほうがよほど簡単なんじゃないかという気がする。誰でもできるからこそ、競合の参入は後を立たないし、単純業務や作業なんで1件あたりの単価はそんなに高くすることはできず、大量の作業をまわしていく仕組みが必要になる。そして、単純作業だから、単価が安いからといってミスや品質の悪さが許されるようなものでもない。きちんとしたモデルを組み立ていくには試行錯誤が必要だ。

こういうモデルに関心があるのは、個人的な思想の問題もあって、つまりボクはスターに頼るようなモデルではなく、仕組みと人の繋がりで凡人でも─むしろ他の会社では不器用で使えないといわれるような人間ぐらいでも─輝ける(稼げる)ような会社を理想としているからなのかもしれない。自分がとてつもなく凡人であり、不器用だからこそ、そういう場をつくりたいというのがボクの経営観なのだ。

考えてみれば、もともとイー・三六五の「さぶみっと!JAPAN」が手がけるサービスも、自分達がやってて面倒くさかったから生まれたものだ。検索エンジンへの登録代行なんていうのは、やろうと思えば誰にでも出来る。でも、企業のWEB担当者やマーケターが自分でやろうと思うと掲載レポートなどの作成も含めると、けっこうな手間がかかる。そこにビジネスチャンスがあったわけだ。

さぶみっと!は彼これ10年以上、このモデルで食べているけれど、それを傍から見て簡単そうだ、ここより少し価格を安くすればいいんじゃないかぐらいの考えで、このビジネスモデルで参入してくる零細企業、中小企業は山ほどある。みんな儲かると思って参入するのだろうけど、実際はそんなに甘くはない。

創業から数年間は、とにかくいろんなものにチャレンジして、この「さぶみっと!」の事業も含めて、新しいビジネスをいろいろ立ち上げたりしたけれど、ここ数年というのは拡大していく受託ソリューションの波に乗ってというか飲まれてというか、新しいモデル、事業についてはなかなか取り組めていない。受託のビジネスが大きいものになっていって、それでご飯を食べてるスタッフやら家族やらが増えて、守るべきものがおおくなったということもあるのだろうか。情けない大企業病だなぁと。昔は、大学にチラシ撒きにいったり、飛び込みでビルの上から下の階まで順番にまわっていったりしたのに、今はそんな風に汗かくことを少し疎んじてしまってるというか。いやはや、まだまだそんなレベルじゃないだろうよと思う。ボクら経営陣が率先して汗かかんと駄目んじゃないかいね。

マキュレさんのお話を聞いていて、事業をつくることや生み出すことの愉しさが伝わってきて、少し羨ましかった。まだまだうちぐらいの人数や規模なら、新しいことにだってチャレンジできるだろうし、もっと山っ気もっていろんなものに取り組むべきだろうし、それは出来るリソースもある。

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