ホーム > ネット・ウェブ関係

2007年04月10日

SNSの歴史に新サービス導入のタイミングを考える

greeの歴史によると、

2004年2月21日 田中良和が個人サイトとして「GREE」アルファ版を公開
2004年3月30日 GREEのユーザー数が1万人を突破
2004年10月12日 GREEのユーザー数が10万人を突破

ということらしい。ボクは2万台のidなので、この3月から10月の間に会員になっている。

一方、mixiは、

2004年2月 ソーシャル・ネットワーキングサイト「mixi(ミクシィ)」の運営を開始

となっていて、あれ、mixiのほうがgreeより随分後にスタートしたイメージがあったのだが、どうもそうじゃないようだ。

CNETのこの記事(「mixiの会員数が30万人を突破--SNSビジネスの基盤着々と進む」)によると、

mixiは2004年2月にプレオープンし、3月3日に正式オープンした。会員数は2004年7月26日に5万人を超えて、約2カ月後の9月16日には10万人を突破、同様に11月25日には20万人を突破した。およそ2カ月間で10万人ずつ増加しているペースだ。

ということなんで、2004年10月ぐらいまでは、greeとmixiは良い勝負をしていた。mixiの方が会員増加ペースは圧倒的に早かったのだが。mixiと同時期に「トモモト」「echoo!」「フレンドマップ」といったSNSもスタートしているが、今はすべて存在しない。
また、調べていて驚いたのだが、ネットエイジがやってた「GOCOO」は2003年12月にスタートしてたのだ。greeやmixiより早かったのに「合コン」「出会い」を全面に出し、有料ビジネスモデルをとろうとしたがゆえにうまく立ち上がらなかったということか。

なるほど、歴史を見ると、必ずしも早くはじめたから有利だというわけでもないのだなと思う。
この国内SNSの潮流のそもそもの源流はアメリカにある。

Wikipediaによると、GoogleのOrkutは2004年1月22日にスタートしてる。招待されたくて仕方なくて、いろんな人に頼んで招待してもらったなぁ。でも全然使わず、結局、すぐにgreeに移り、mixiに移りと引っ越ししていったのだが。

最初の本格的なSNSと言われるFriendsterは2002年11月のスタートだ。(SixDegrees.comが最初のSNSという説もあるが) FriendSterが日本のメディアにとりあげられたのは、Googleの買収提案を断ったとか、そのあたりの記事だろう。この頃はまだブログもそんなに盛り上がっていたわけでもないので、やはり情報流通の中心はこの手の大手ITメディアの記事が中心だったと思う。FriendSterは招待がなくても登録可能なオープン型のSNSなので、今のmixiやgreeのような招待制SNSの最初は、Orkutなのだろうか。

mixi自体は、FriendSterみたいなサービスを日本に持ち込めないかというアイディアから開発が始まったというのはよく語られている話だ。FriendSterを参考にしながらも、それを日本文化になじみやすい形にできるか、それを考えてつくったのがmixiだ。FriendSterやOrkutに足跡機能があったのかどうかは知らないが、初めてmixiの足跡機能を見たときは、かなり衝撃を受けたのを覚えている。

GreeもおそらくFriendSterやOrkutから触発されて開発したのだろうが、Greeはどちらかというと当初は技術思考だったのかもしれない。基本的には海外のSNSが持つ機能をきちんとトレースするというのが当初のGreeだったのではないか。そこにはちゃんと日本語が使える、日本人ばかりいるという価値が示されていた。が、mixiはその一歩先に踏み込んでいた。

さて、mixiがこれほど圧勝してしまったことの理由についてはいろんなところでいろんな説が語られているので、素人のボクが分析してもあまり意味がないが、この歴史は、アメリカ主導サービスのローカライズということを考える際にはすごく参考になる。

日本にはない新しい概念やサービスが登場したとき、それを日本に持ち込めないか、と誰もが考える。
そして、よーいどんでの開発競争が始まる。たいていのサービスは1〜3ヶ月前後で一気に同じ時期にリリースされる。
この中で勝ち残るのは、ごくわずかだ。

その差は、早くリリースすれば良いというわけでもなく、結局、ユーザーにとって利用していて面白く、魅力的な機能、サービスが提供されるものに流れていく。

この手のサービスは、まずGeekを相手にするものが多いので、デザイン周りが非常にシンプルで、必要なものだけが最低限そろえられていたり、という形で始まるケースが多いようだけれど、それではなかなかキャズムを超えられない。キャズムでつまづき、その間に、軽々とキャズムを超えていくサービスが出現したりする。先行者のアドバンテージは一瞬にしてなくなる。

ということを考えると、イノベーターやアーリーアドプターが食いつくレベルの時には、サービス開始時期は実はそんなに問題ではないということなのかもしれない。アーリーアドプターからマジョリティ層に利用層が一気に拡大するときに、その「普通」の人たちにとって魅力的で使いたいサービス、使えるサービスであるかのほうが重要なのではないか。(myspaceがfriendSterを一気に抜き去ったのも、ここでFriendSterのインフラが不安定などのミスをおかしてしまったということも大きいんじゃないか)
どのタイミングがキャズムを超える地点なのか、ということを予測してそこにあわせて、マジョリティをターゲットとした機能拡張やデザインインターフェイスのつくりこみを行っていくこと。このあたりがすごく重要かもしれない。

ただ、あまりにも時期がズレすぎると、今度は機能の差別化では追いつかなくなり、専門分野に特化するなどニッチ路線での勝負となることは間違いないので、タイミングってのはすごく大事なのだが。


[ Permalink | TrackBack (0) ]

2007/04/10 01:18

2007年04月05日

P2P型ローンについてのメモ

ウィキバンクというP2P型の貸金サイトのことをエントリーしたばっかだが、SpringWiseにも、P2Pローンサイトがまとめ(Bankless banking | Update)られていたのでメモ。ニュージーランド、ドイツやらでも同じようなサービスが立ち上がってるようだ。オンラインバンキングレポートによると、P2Pローンは、2011年には年100,000組、10億ドル規模にまで拡大するようだ。

[ Permalink | TrackBack (0) ]

2007/04/05 12:49

2007年04月04日

エステや美容院の情報サイト ispotの機能拡張

エステや美容院の情報サイトを運営するサイバースターは、利用客による店舗の評価機能を拡充する。(中略) 同社サイト「ispot」は契約する全国3000店のエステや美容院の情報を発信する。6月に各店の客がサイトに無料で登録し、接客態度や説明の手厚さ、施術や料金の満足度など約10項目を5段階で評価する機能を追加する。 客が実際に契約店を利用した時にサイト会員であることを告げ、その後メール配信される客がアンケートに答える仕組みにすることで、評価の信頼性を確保する。評価した会員には電子マネーのEDYなどに交換できるポイントを付与する。

サイバースターの「ispot」。
興味がない分野なのでまったく知らなかったが、こういうバーティカルポータルといか、そういうものはあるのだなぁ。そしてちゃんとビジネスになってるんだな。

契約店の初期登録費用7万円、1ヶ月の利用料7000円が、それぞれ10万円、1万円に値上げ。現在、15万人の会員。2006年10月期で3.5億の売上。これを09年10月に18億に伸ばす計画。

今、やろうとしてるビジネスだと、このへんの数字はすごく大事なのでメモ変わりに書き留めておく。エステサロンにとってみれば、年間で12万円なんてのはたいした金額ではないだろう。それで1人、2人獲得できれば充分もとがとれるんじゃないか(よく知らないけど、そんなモデルだと聞くし)。であれば、出さないよりは出しとかないという意識になるのかもしれない。
でも、こういう単価の安い電話帳型広告ってのは、結局、足で一軒一軒まわって、営業していかなければならない。それが大変だ。営業マンはたいていインセンティブ、飛び込みでがんがん廻る。そんな感じだ。GoogleのAdsenseとかAdwordsとかってのは、本来そういう営業モデルだった広告主をも、セルフで広告を出稿させてしまうところが凄い。

ついでに、美容、健康系のこの分野だと、昨日の日経産業の載ってたが、リクルートがヘアサロン専門の検索サイト「ホットペッパービューティー」を4月27日に開設するそうだ。首都圏、名古屋、関西で3300軒のヘアサロンと約8000人のスタイリスト、約1万件のヘアスタイルに関する情報を掲載するらしい。利用者はサイトからそのまま日時予約やスタイリスト指名までできる。

[ Permalink | TrackBack (0) ]

2007/04/04 10:08

出前館の予約館

出前館を運営する夢の街創造委員会はファーストフードの注文予約を受け付けられるサイト「予約館」を開設する。(日本経済新聞)
利用客が携帯電話で注文と受け取り時間を入力し予約。店に行けば待たずに商品が受け取れる。3日からロッテリアの都内30店で始めた。(中略) 売上の5%を徴収する仕組み。

テイクアウトの予約サービスかぁ。どれだけの利用があるだろうか。そういえばニューヨークでランチのテイクアウト予約サービスが流行りそうって記事をどこかで読んだ覚えがある。ウェブから会員登録しておけば、携帯電話のショートメッセージだけでメニュー取得、予約、受け取り時間確定ができて、その時間に行くとできあがってる。料金回収などもすべてそのサービスでなされるので、利用者はただ受け取るだけ、みたいな。
お昼の時間はたいていの会社が同じ時間に一斉でとるから、どこも混む。大手町とかでデリなどの予約テイクアウトサービスがあったら便利だろうなぁと思う

[ Permalink | TrackBack (0) ]

2007/04/04 09:53

アフィリエイト会社が模索する新たな収入源

アフィリエイト仲介会社が、消費者金融会社からの広告出稿の抑制でブレーキがかかっているという記事が日経新聞に。確か昨日もアドウェイズの株価が低迷しているという話が載っていたが。アフィリエイトで成長モデルを描きにくい状況の各社は、新しい収入源、ビジネスモデルの構築を急いでいる。

インタースペース
出産や育児に関する携帯向けサイト「えぶりば」を開設。2年間で10万人の会員獲得を目指し、同サイトからの広告収入を新たな収入源に育てる。

ファンコミュニケーションズ
ブログ開設請負サービスを開始。登録する約42万件(3月現在)のサイトの開設者を対象に手軽にブログを開設できる機能を提供。つまり、ブログホスティングサービス「ファンブログ」を新たな媒体に育てようというもくろみ。携帯電話向けサイトとあわせて自社サイトでの広告収入を前期の2倍の2億円に増やす。

アドウェイズ
夏に中国で携帯電話向けサイトを開設する予定。占いやクイズ、掲示板などを提供し広告媒体に育てる。
アドウェイズは日本でも携帯向けにゲームサイトを開設しているが、競争が厳しく利用が広がっていないとのこと。

ファンコミュニケーションズの「ファンブログ」はアフィリエイトASPがやるホスティングらしく、アフィリエイト連携には力を入れているようだ。「記事のキーワードをひろって、独自のデータベースから 宣伝可能な商品をボタン一つで検索する機能」なんてのも導入するようなのだが、アフィリエイト目的以外のユーザーをいまから集められるかどうか。そろそろブログホスティングも飽和状態じゃないかと思っているのだが。
アドウェイズが日本で携帯向けゲームサイトを開設しているというのは知らなかった。アフィリエイトとはゆえ、自社で集客・リーチのネットワークを持っているのに勝てないのか。
ミリオンヒット」(会員数:110,000)、「NEO★ちり」(会員数:65,000)、「Manblog マンブローグ」(会員数:10,000)、「ZEROゲー」(会員数:30,000)と、いくつか媒体はやってるが、そろぞれの分野でこの会員数では勝負できないということなんだろう。じゃぁ中国なら成功するかというと、そんな簡単でもないと思う。中国はまだまだ3Gには達してないし、SMSが主流だったりする。キャリアと端末メーカーの関係は日本のそれとはまったく違う。ビジネスに国の思惑が大きく関与してくる。なかなか一筋縄ではいかないだろう。もちろん成功すれば日本とは比較にならないぐらい大きな市場があるのだろうが。

[ Permalink | TrackBack (0) ]

2007/04/04 09:30